森見登見彦の『聖なる怠け者の冒険』を読んだのです。

 11号館の生涯学習センターに移動しました。職員の方から今日の参加者の名簿を頂いて2階の1126教室に移動しました。4年生のゼミの行なわれている部屋と同じなので懐かしい感じがします。今日の参加者の皆さんは3名です。今日の参加者の皆さんは3人ともアテネフランセ獨協大学フランス語講座に通った体験があるとのことです。ハンドアウトに沿ってお話しを進めました。重要なキーワードは黒板に書き出して強調しておきました。「壊れ物としての人間」、「成長小説としての『星の王子さま』」、「モラリストの文学」などなどです。
 帰路は南越谷のダイエーに寄って久し振りにワイシャツを買いました。それも私にしては珍しいピンクのものを選んでみました。実は先日、武蔵野線の車中でピンクのシャツを着ている中年男性を見掛けたのですね。その男性の出で立ちがとても素敵だったので私も真似をしたくなったのです。ワイシャツを買ったいと言う意欲は「人生への意欲」と置き換えられるのかも知れません。
 夕暮れの時間を楽しみました。アサヒの糖質ゼロのスタイルフリーを頂きながらロッキングチェアに座って森見登見彦の『聖なる怠け者の冒険』を読んだのです。学生時代を過ごした京都の街の細部はすっかり忘れてしまいました。けれども森見さんのマジックリアリズムの文体で忘れた情景が甦るような気がします。河原町木屋町などの懐かしい地名が昔に戻ったような気分にさせてくれます。この本は一種のタイムマシンのような機能を果たしているのかも知れません。