夏目漱石の唯一の自伝的小説である『道草』に付いて語りました。

 午後1時からの3限の文学では夏目漱石の唯一の自伝的小説である『道草』に付いて語りました。ハンドアウトに沿って語るのが基本ですが、時には『道草』のテクストからの引用も交えて語りました。「片付くものなど殆どありゃしない」という主人公・健三の最後の言葉にはほとんど名言だと言っても良いでしょうね。私も同意見です。最後に漱石の『夢十夜』に触発された十人の監督による『ユメ十夜』のDVDを観ておきました。今日は第一夜と第二夜を観ておきました。
 2時40分からのフランス語では『小さなコント』の第8章「大きな魚」の続きを読みました。マルセイユの街で船乗りとして生計を立てているマリウスが主人公です。マリウスは「世界で一番大きな魚を港の入り口で見掛けた」と大ぼらを吹くのですが、一時間後には自分が嘘をついたことを忘れてしまうのですね。そしてマルセイユの人々が大きな魚を見るために港に走っていくのを追い掛けるというストーリーです。少人数のクラスですが、コアな授業ができていることを嬉しく感じています。最後にヨーロッパの社会で音読から黙読へと文化が変化した経緯を語るDVDを観ておきました。なかなか面白い話しですね。帰路は新越谷のVARIEの旭屋書店に寄って集英社の『KOTOBA』を買っておきました。「夏目漱石を読む」という特集です。沢山の論文が載っているので時間を掛けてゆっくりと読んでいこうと思っています。この頃、私のモットーは一休さんの「アワテナイ、アワテナイ、ヒトヤスミ、ヒトヤスミ」となっています。