6月9日の日曜日は読書と書店の一日という感じでした。

takuzemi2013-06-10

 昨日6月9日の日曜日は読書と書店の一日という感じでした。生涯学習センターの公開講座「原文で読む『星の王子さま』」の第2回が終わってほっとしたのでしょうか。日曜日は朝から読書へのモチベーションが高まりました。先ずは村上春樹の新作『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)を援助者である2歳上の恋人木本沙羅とつくるとの対話の視点から読み直してやろうと思ったのです。多崎つくるがかつての4人の旧友たちと会って真実は何なのかを確認しようと考えるようになるのは、言わば彼の「変身」の軌跡を確かめてみたくなったのですね。場所までは特定できませんでしたが、木元沙羅の自発的・積極的な性格が多崎つくるを動かしたことは確かでした。「巡礼」に旅立つ多崎つくるには「変身」の様子が書き込まれています。
 今日の2冊目の本は宮下規久朗著『欲望の美術史』(光文社新書)を読みました。新書という形で西洋美術史の本が沢山出版されています。西洋美術史を学び直してみたいと考えている私に取っては新書という形態が実に便利な媒体ですね。しかしこの宮下さんの著書は著者の個人的な嗜好が赤裸々に現れているように感じました。章のタイトル「空間恐怖」、「治癒への祈り」、「追悼と鎮魂」、「破壊衝動とイコノクラスム」などにそれが伺えます。また著者の「あとがき」に出てくる「偏愛する特殊なテーマ」であるヌード、刺青、ムサカリ絵馬、エクス・ヴォート、戦争記録画に付いてもたっぷり学べることうけあいです。