3限の文学では漱石の『彼岸過迄』に付いて語りました。

 今朝はちょっと出遅れて大学に着きました。2限の始まる10分前でした。さっそく研究室で教材・教具をかき集めてノートパソコン用のプラスティックのボックスに入れておきました。教育支援課でビデオの鍵を借りてから431教室に移動しました。「えすかるご」の34ページから入りました。フランスの若者たちの生活をざっと話してから、36ページの対話の部分に時間を掛けました。文法は形容詞の位置、形容詞の女性形、名詞と形容詞の複数形、そして動詞connaîtreとvoirの活用を学びました。
 3限の文学では漱石の『彼岸過迄』に付いて語りました。修善寺の大患のこと、博士号を拒否したこと、漱石の講演旅行のことなどを話してから『彼岸過迄』の語りの複数性に付いて語りました。前期三部作の『三四郎』、『それから』、『門』の語りが単一の印象を受けるのと比べると後期三部作は明らかに語りの構造が違っています。漱石は「短編を繋ぎ合わせて一冊の小説を作る」という意味のことを語っています。要するに複数の声が語る物語を漱石は目指したのですね。
 4限のフランス語5では「小さなコント」を読みました。今日は「牡蠣と馬」の第1回です。ガスコーニュ人が旅をしてとある旅籠に泊まるのですが、暖かな暖炉の近くはすでに他の旅人たちが占領しています。そこでガスコーニュ人は馬小屋にいる馬に1ダースほどの牡蠣とワインとを注文するのですね。「馬が牡蠣やワインを食するの?」と疑問を持った他の旅人たちは馬小屋に移動します。すると・・・というお話しです。