文学では夏目漱石の『こころ』に付いてお話ししました。

 9時前にバックパックを背負って家を出ました。9時4分武蔵浦和発の武蔵野線に乗って移動を開始しました。車中では昨日買ったいがらしみきお著『ぼのぼの名言集(上)』(竹書房新書)を読みました。いがらしさんの経歴に「5歳の時、神の掲示により漫画家になろうと決意」とあります。『I(アイ)』の第1巻、第2巻などを読むと神の啓示も本物だったのだなあと感じてしまいます。私も日頃から恐るべき漫画家だと敬愛しています。
 今日は同僚の先生方に良く会う日です。南越谷で武蔵野線を降りる時には人間科学部のO先生と文学部英文科のI先生にお会いしました。大学に着いて3号館のエレベーターの前ではフランス語のY先生とお会いしました。私と同じ平岡平岡篤頼先生のゼミに所属していたE君はその後早稲田大学教授にまでなりました。けれども病に犯され壮絶な死を死んでいったことをY先生からお聞きして驚きました。
 今日は2限のフランス語1、3限の文学、そして4限のフランス語5と3駒の授業がありました。3限の文学では夏目漱石の『こころ』に付いてお話ししました。『こころ』の先生はなぜ自殺を選んだのかということをハンドアウトに沿ってゆっくりと考えてみました。先生と青年との関係はある種恋愛のようにも受け取られます。先生が青年に対して自分の生を贈与したのだという解釈も成立しそうな気がします。最後の30分はねじめ正一さんと谷川俊太郎さんの「詩のボクシング」を見て楽しみました。最後の即興詩の勝負で谷川俊太郎さんが逆転勝利を獲得しました。なかなか素敵な勝負でした。