「漱石さん、奥さんの鏡子さんの気持ちがなぜ分からないんですか?」

 朝の9時半には家を出ました。武蔵浦和駅のホームは乗客で一杯でした。幸い南浦和の駅で座席を確保することができました。さっそく先日から読み続けている鳥越碧著『漱石の妻』(講談社文庫)を読み始めました。夏目漱石と妻の鏡子の心のすれ違いを描いた作品です。「漱石さん、奥さんの鏡子さんの気持ちがなぜ分からないんですか?」と言ってやりたくなるような作品です。読者ももどかしい気分にさせられてしまいます。
 2限の時間帯は相棒のFさんとの「ランボー読書会」を楽しみました。今日もランボー研究者ブリュネルのテクストを拡大コピーしたものを一行ずつ読み進めて行きました。何とか一つの章を読了して、『地獄の季節』の中の「不可能」の章も読了しました。本気で語学に集中できる時間が1週間に90分取れることは本当に有り難いことだと感じています。
 午後の2時過ぎには大学の図書館まで出掛けました。しばらく新刊書のコーナーや地下の閲覧席を巡って面白そうな本を物色しました。池田美紀子著『夏目漱石 眼は識る東西の字』(国書刊行会)と渡辺澄子著『男漱石を女が読む』(世界思想社)が面白そうです。(後者はジェンダー論的視点から分析されているものと表題から分かります。)2冊の本を借りて3号館7階の研究室に戻りました。キャンパスの雨は上がったようですが、大変に蒸し暑い気候になっています。5限のゼミが始まるまでは、たっぷりと待ち時間があります。文庫本の『漱石の妻』を読んで楽しみました。漱石の妻の鏡子さんが夫の書く『三四郎』を面白がって読むというエピソードがあり、微笑ましい気分になりました。