私は日頃から「言い出しっぺは無条件で偉いのだ」と考えています。

takuzemi2013-07-13

 昨日の5限の3年生のゼミでは先ず初めにHさんの発表がありました。タイトルは「『千と千尋の神隠し』に見る名前の不思議」というものです。主人公の千尋湯屋という異世界で湯婆婆から「千尋」という名前を奪われ、「千」という符丁のような名前を与えられます。そこにHさんは「親から守られるただの10歳の子供ではなく、生きるために、そして両親を救い出すために湯屋という社会(または異世界)へ出た一人の人間となるのだ」と解釈しています。大変に面白い発表でした。
 発表が終わったところへ、4年ゼミ生のN君が教室に飛び込んできました。9月2日と3日に行なわれる予定のゼミ旅行で先頭に立って動いてくれるN君です。彼は文教サービスに出掛けて、バスの予約を取ってきてくれた本人です。私は日頃から「言い出しっぺは無条件で偉いのだ」と考えています。N君もこうした「言い出しっぺ」の一人ですね。
 N君が帰ってしまってから、マリーズ・ブリュモンの『『星の王子さま』を学ぶ人のために』を輪読しました。「子供と大人」の二項対立や「ユマニスム」に付いての解説が面白くて、ついつい時間を間違えてしまったほどです。気が付いたら17時45分になっていて、用意してきたビデオを見る時間もありません。学生諸君にA4の紙を配って、就職活動の報告を4〜5行で書き記してもらってお開きにしました。研究室に戻って、ざっと目を通してから、バックパックに荷物を詰めて帰路に着きました。