相棒のFさんと2人でランボー読書会を楽しみました。

takuzemi2013-07-19

 2限の時間帯は相棒のFさんと2人でランボー読書会を楽しみました。今日もランボー研究者のブリュネルのテクストを1行ずつ訳していきました。90分間の集中の時間はなかなか草臥れるものですね。残念ながら相棒のFさんは夏に仕事が忙しくなるので9月20日まで読書会を中止しなければなりません。Fさんは夏休みの間に論文を一つ書き上げたいと言っていました。本当に頑張り屋さんですね。
 研究室で「とんきん亭」の箱弁当を食べて昼食にしました。歯を磨いてから文学部紀要の執筆申込書に必要事項を書き込みました。キャンパスを横切って大学図書館に移動しました。本を2冊返却してから職員さんに紀要の執筆申込書を手渡しておきました。しばらく地下の閲覧室で本を物色しました。3冊ほどの面白そうな本を見つけて借り出しておきました。レポートの締め切りが迫っているためでしょうか。地下のPCルームは学生諸君で一杯でした。
 来週の文学の講義の最終回には熊倉千之先生の『漱石のたくらみ』(筑摩書房)からの抜き書きを再構成したハンドアウトを用意しています。熊倉先生は漱石が二十八という数字にこだわっていることを挙げています。そこから二十八歳の漱石が手痛い失恋を体験したのではないかという読みを提出しているのですね。「こころ」の汚れた人が、本来の純白な「こころ」を取り戻すテーマを読み取っています。『こころ』の「私」が「私は海に這入る度に其茶屋へ一切を脱ぎ棄てることにしていた」という一文に「一切を脱ぎ棄てること」、つまりピュアな汚れを知らなかった自分に戻ることというテーマを読み解いているのですね。『明暗』の結末で漱石晩年のモットーであった「則天去私」を主人公の津田由雄が体現するという熊倉先生の説も納得が行くような気がします。