昨夜は原田マハ著『ジヴェルニーの食卓』を読了しました。

takuzemi2013-07-26

 学生諸君に「山本先生から本を紹介してもらって良かった」という声をいただくことは本当に教師冥利に尽きると言えるでしょう。火曜日の4年生のゼミの時に近況を書いてもらったら、S君が私が以前ゼミで紹介した山内宏泰著『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(海星新書)を読んで大変面白かったと書いてくれたのですね。S君は上野近辺にもひんぱんに出没しているらしく、印象派の画家をテーマに卒論を書くかも知れないと書いてくれました。
 昨日のフランス語1の試験が始まる前に原田マハ著『ジヴェルニーの食卓』(集英社)が大変に面白い一冊だと紹介したのですが、試験開始まで10秒を切っている時間で私が慌てている表情が可笑しかったのでしょう。学生諸君がどっと大笑いしたことでした。試験用紙と最後まで戦っていたNさんが答案用紙を提出してから「先生の紹介してくれた本、何という題名でしたっけ?」と尋ねます。いつも用意しているメモ帳を小さく千切って原田マハさんの名前、著書名、出版社名を書き付けてNさんに手渡しておきました。大規模授業が数多くある中で、学生諸君とこんな小さなコミュニケーションを結べる機会は本当に嬉しい限りです。
 昨夜は原田マハ著『ジヴェルニーの食卓』を読了しました。第1章の「うつくしい墓」はアンリ・マティスの話し、第2章の「エトワール」はドガの話し、第3章の「タンギー爺さん」はセザンヌゴッホと画材商だったタンギー爺さんの話し、そして最後の「ジヴェルニーの食卓」は言わずと知れたモネの話しです。どの逸話も語り方に工夫が凝らされていて大変に興味深く感じました。