美術館は夕涼みに持って来いの環境だと感じました。

 午前中には少しだけですが、アラゴンに付いての論文を手直しすることができました。プリントアウトした原稿に赤ペンで修正を加えていくという手法は他の知的生産の技法とも共通しています。本来ならばこうした作業を毎日繰り返す習慣が必要なのでしょう。授業も講義もない夏休みの間に、こうした時間を積極的に持つことを考えても良いでしょう。文教大学中国文学科のS先生は夏休みが「書き入れ時だ」と言っていたのを思い出しました。(帳簿の書き入れに忙しいという時期から、こうした意味が生じたということのようです。)
 午後は13時41分の快速に乗って上野駅への移動を開始しました。車中では先日、池袋のJUNKU堂で買い求めてきた元木幸一著『笑うフェルメールと微笑むモナ・リザ─名画に潜む「笑いの謎」』(小学館101ビジュアル新書)を拾い読みしました。「モナ・リザは本当に笑っているのだろうか?」という根源的な問い掛けが突きつけられる場面もあります。それによって笑いという現象の多義性にも思い至らせらることになります。40分ほどで国立西洋美術館に着いて、住民基本台帳を示して無料で常設展に入館しました。およそ90分ほどの時間を掛けて色々な作品を愉しみました。ル・コルビジェの「開いた手」への拘りには圧倒させられました。会場を出てから、ミュージアム・ショップで絵葉書を2枚ほど買って国立西洋美術館を出ました。美術館は夕涼みに持って来いの環境だと感じました。コンビニで缶ビールを一本買って、公園のベンチで空にしてから帰路に着きました。