「我アルカディアにも在り」と語っているのは死神に他ならないとのこと。

 しばらく積ん読状態になっていた中野京子さんの『はじめてのルーヴル』(集英社)を再び読み始めました。ヴァトーの『シテールの巡礼』、クルーエの『ガブリエル・デストレとその妹』、リゴーの『ルイ十四世肖像』、レンブラントの『バテシバ』(著者はこの作品を「ルーヴルにおける必見の名画」と位置付けています。『旧約聖書』に登場する美女なのですが、その生涯は英雄ダヴィデの権力のもとに奪われて悲劇的なものになります。それから、この本を読んでいて初めて知ったのですが、「我アルカディアにも在り」と語っているのは死神に他ならないとのこと。アルカディアという理想郷に居たとしても、死は逃れられないものだと言うことだそうです。
 午後は駅の並びにあるQB−HOUSEまで散髪に出掛けました。土日には混雑していたのですが、今日はかなり空いています。待たされずに散髪してもらえました。亡くなった京都の先輩のOさんが「一日幸福でいたければ散髪をしなさい」と良く言っていたことを思い出しました。Oさんは学生時代には私のギターのお師匠さんでもありました。散髪をしてもらいながら京都での学生時代のことが思い出されました。
 散髪を済ませてから駅前の須原屋書店に立ち寄りました。何とも面白そうな本なのですが、少々高額なので悩んでしまいました。思い切って買ったのは羽根正章+羽根義章共著『ゴッホのトラウマ』(文芸社)です。西洋近代絵画を学び直すための一冊として読んでみたいと思っています。著者のお二人は双子の兄弟だと言うことです。珍しい共著者たちだと言えそうですね。