上野の国立西洋美術館で「ミケランジェロ展 天才の軌跡」を観るためです。

 羽根正博+羽根義章共著の『ゴッホのトラウマ』(文芸社)を読み進めました。主人公の刑事・黒羽根四郎はとある病院で療養中です。それでもフロイトの著作集やゴッホの書簡集を病室に持ち込んで、それらを読み解きながら、ゴッホのトラウマの謎を解明しようとするのですね。著者のお二人の苗字が「羽根」、そして主人公の名前が「黒羽根」とあるのですが、これは意図的に仕掛けた言語遊戯でしょうね。まだまだ読了するまで時間が掛かりそうなのですが、しっかりとした構成のミステリーであることは間違いありません。
 午後は14時41分の快速に乗って移動を開始しました。上野の国立西洋美術館で「ミケランジェロ展 天才の軌跡」を観るためです。今日は平日なので観客も少ないだろうと思って来館しました。案の定、観客は少なめで落ち着いて作品を鑑賞することができました。それにしても、壁画の中にある皮を剥ぎ取られた男の姿が気に掛かります。不思議な物体もあるものだと疑問に思っていたのです。それが4Dカメラで撮影したシステナ礼拝堂の映画で疑問が氷解しました。何と皮を剥ぎ取られた男は、大作壁画の作成に疲労困憊したミケランジェロ自身の自画像だと言うのですね。4Dカメラの映像も分かりやすいもので大いに勉強になりました。会場を出てからミュージアム・ショップで土産物を物色するのも楽しみです。大きなカタログを買って帰っても本棚に死蔵してしまうことが多いですね。今日はショップで文庫本を一冊買って帰ることにしました。西岡文彦著『絶頂美術館 名画に隠されたエロス』(新潮文庫)です。読むのが楽しみな本がまた一冊増えたようです。