つげ義春さんの『ねじ式 夜が掴む』を読んでみました。

 午後には浦和まで出掛けました。先ずは東口に出てPARCOの紀伊国屋に立ち寄りました。しばらく本を物色して過ごしました。買い求めたのは三浦篤著『名画に隠された「二重の謎」−印象派が「事件」だった時代』(小学館101ビジュアル新書)とつげ義春著『ねじ式 夜が掴む』(ちくま文庫)の2冊を買っておきました。とりわけ『ねじ式 夜が掴む』は若い頃に良く読んでいたもので私にとっても懐かしい作品です。PARCOを出て浦和駅の西口に移動しました。伊勢丹の並びのCORSOに立ち寄って山野楽器に立ち寄りました。CDを一枚かって須原屋書店に移動しました。原田マハさんの『ユニコーン』(NHK出版)と茨木のり子さんの詩集『依りかからず』(ちくま文庫)の2冊を買っておきました。帰りの電車で『依りかからず』の冒頭の二篇ほどを読んでみたのですが、真正な言葉が読者の胸に染み渡るという感じで高揚感を感じました。
 つげ義春さんの『ねじ式 夜が掴む』を読んでみました。「ねじ式」「ゲンセンカン主人」「夜が掴む」など懐かしい作品が並んでいますが、この年になって再読してみると作品の色調はむしろグロテスクなものだと感じられました。解説で川本三郎氏が「つげ義春の場末趣味」と題された文章を書いていますが、川本氏は「つげ義春の作品の舞台になった土地を旅するのが好き」なのだそうです。「つげ義春の作品の舞台を旅してみると、どこも、寂し気なところが多いところに気がつく」とも語っています。「つげ義春が作品の舞台に選ぶ場所は、どこも、裏通りか場末といったような、隅っこの小さな町や村。そこがいかにもつげ義春らしい」と指摘しています。そして川本さんは「つげ義春は徹底した場末趣味の作家なのだ」と結論付けるのです。この結論には私も同意するしかなさそうです。(写真は朝倉彫塑館の猫の彫像です。)