私の部屋を見てU先生は"Magnifique !"(凄いね!)と叫んだのでした。

 4限の4年生のゼミで読む教材を一足早く読んでおきました。外山滋比古さんの『思考の整理学』(ちくま文庫)に収められた「エディターシップ」と「触媒」の2つのエッセイを読む予定です。学生諸君に次々と輪読してもらう予定なので、一人当たりの分量を目分量でチェックしておきました。このエッセイにざっと目を通してから、漫画を好きなY君のリクエストのグスタフ・クリムトの絵画を紹介するDVDも用意しておきました。
 1限の授業の間に数年前に膵臓癌で亡くなった拓殖大学のU先生のことを思い出しました。当時、U先生は私と同じ狭山市に住んでいて、ある日私の部屋まで遊びに来てくれたのですね。その時、私の部屋を見てU先生は"Magnifique !"(凄いね!)と叫んだのでした。当時は私は親の家に住んでいて、父が碁会所として建てた小さな家に住んでいたからでした。
 4限の4年生のゼミでは予定通りに「エディターシップ」と「触媒」の2つの評論を読みました。外山氏は「知的生産」という言葉は使いませんが、言葉を変えテーマを変えつつ、いつもこの「知的生産」というテーマの周辺を巡っている気がします。「カクテル」という言葉を外山氏は良く使いますが、これも頭の中の「知的生産」のメタファーですね。今日は漫画好きのY君のリクエストに答えてグスタフ・クリムトを紹介するDVDを30分ほど観ることができました。繰り返しになりますが、未完の「花嫁」や「接吻」を観るとその独自なエロティシズムが再認識できるような気がします。