パラノな癖があって、一冊でも欠けていると納得できないところがあります。

 私の愛読書である山内宏泰さんの『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社)は何度も繰り返して読み直してきた私の好きなテクストです。何度も国立西洋美術館にもユニクロの手提げに入れて持っていき、テクストを参照しながら絵画を鑑賞するほどに使い回したものでした。ところが、その愛読書が書斎から見当たらなくなってしまったのですね。先日、上野の国立西洋美術館に行った時にミュージアム・ショップに置いてあるのを見つけて一冊買い求めておきました。ところが、それが間違いだったのですね。実はそろそろ授業が始まると考えて通勤用のバックパックの中身を点検してみたら何と『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』が一冊出てきたのです。衝動買いとでも言うのでしょうか。似たようなことが今日もありました。新久千映さんのコミック『ワカコ酒』(徳間書店)が大変に面白いので昼食を済ませてから駅前の須原屋書店まで在庫がないかどうか確認に出掛けたのです。残念ながら『ワカコ酒』は見当たらず、帰宅してすぐさまDELLのデスクトップを起動して、アマゾンにワンクリックで注文してしまったのです。息子にそのことを言ったら「『ワカコ酒』は1巻も2巻も持っているよ。でも俺はバックナンバーを集める趣味はないから、2巻は親父に進呈するよ。」とあっさり言うのですね。有り難く頂戴しておくことにしました。息子とは逆に私はバックナンバーを集めるというパラノな癖があって、一冊でも欠けていると納得できないところがあります。『エマノン』のシリーズなどもそれに当たるのかも知れません。