今日は文学部の4年生に取っては大切な日です。卒論提出の締め切り日なのです。

 とんきん亭の箱弁当を食べてから13101教室まで「ヨーロッパの文学」のハンドアウトと出席表をセットしにキャンパスを移動しました。今日はサルトルの『嘔吐』に付いて語りました。私が京都で学生生活を送っていた頃、大好きだったお寺がありました。鹿ヶ谷の真如堂と言うお寺です。ある日、このお寺を訪れたら小僧さんが「昨日、サルトルさんとボーボワールさんが来はってなあ」と石庭の細かな石の粒を掃き清めながら言うのですね。サルトルを講義したおかげで、懐かしい思い出を回想することができました。教師名利に尽きるとでも言えましょうか。
 今日は文学部の4年生に取っては大切な日です。卒論提出の締め切り日なのです。締切りは午後の3時。昨日提出に来たS君は連れ立ってやって来た女子学生のスマートフォンでS君と私とのツーショットを撮影してもらったものでした。もう一人のMさんも卒論を見てくれと言って私の研究室までやって来ました。中間発表会でも立派に発表したので、安心だと言っておきました。目次や参考文献もしっかりしていて、完成度の高い卒業論文に仕上がりました。
 4限のフランス語6では『星の王子さま』を原文で読みました。受講生全員参加で3名と言う小クラスです。しかし3人ともモチベーションは高く熱心です。次々に学生諸君に当てて、一行ずつ訳してもらいました。バラの花の高慢さが語られる部分です。王子に辛い思いをさせようというバラの花の奸策が語られる部分です。サンテグジュペリは自分の妻であるコンスエロを思い描いているのでしょうが、そのリアリティーの濃厚さには圧倒されてしまいます。最後にルーベンスの絵画を紹介するDVDを30分ほど観て授業を終えました。