4限のフランス語6では『星の王子さま』を原文で読みました。

 3限の「ヨーロッパの文学」では10年前にフランス文化放送で25回に渡って放送されたロブ=グリエの「作家生活入門」に付いて語りました。困ったことに講義内容をパワーポイントのスライドにまとめたUSBのメモリーを持ってきたのですが、当然あると思っていたノートパソコンが見当たらないのですね。かなり本気で落胆してしまいました。仕方がないのでハンドアウトに沿って講義を展開することにしました。ロブ=グリエのキーワードは「欠落」と「不確定性」の二つでしょう。人生に欠落や不確定性があるから、人は書くことを始めるのだと言うのですね。最後に女優の南果歩さんが案内役を務める『星の王子さま』を20分ほど観ておきました。
 4限のフランス語6では『星の王子さま』を原文で読みました。第8章の王子さまが小惑星でバラの花とのいざこざを引き起こすという話から読みました。バラの花を覆ってやるついたての話でいざこざが起こります。バラの花は咳き込んで王子を居たたまれない気持ちにするのです。この後で有名な王子の台詞が現れます。「お花のいうことなんか、聞いちゃだめなんだよ。お花はながめるもの香りをたのしむものなんだ。」(野崎歓訳)と続きます。第9章では王子の星巡りの初めの部分が語られます。良く知られている渡り鳥を使っての移動です。旅立ちの朝の王子の行動も語られます。活火山だけではなく休火山も手入れするエピソードが語られます。この挿話では「先のことは分からない(だから常々備えていなさい)」という教訓が語られます。深い知恵の書物として『星の王子さま』を読むこともできそうだと私は考えているところです。