タイトルは「『ユビュ王』における語りについて」と言うものです。

takuzemi2014-01-26

 昨日の夕方には別所沼まで散歩に出掛けました。夕方の早い時間の16時30分に家を出たのですが、まだ空はほっのりと明るくて「花と緑の散歩道」では家路を辿る人々の姿が大勢見られました。別所沼に着いたらオレンジ色の街灯も灯っていて、ウォーキングやジョギングを楽しむ人々も多数見受けられました。別所沼を一周しておよそ3000mほど歩いて帰宅しました。帰宅してから首都大学東京のフランス語研究室から日本フランス語フランス文学会の「関東支部論集」が来ていたのを思い出しました。自宅に持ち帰って封筒を開いてみたら教育学部のフランス語をペアで担当しているK先生の論文が掲載されていました。タイトルは「『ユビュ王』における語りについて」と言うものです。内容は先ず冒頭で古典悲劇の代表作であるラシーヌの『アンドロマック』を引用し登場人物の二人・オレストとピラードの会話の中に出てくる「運命」という単語に着目していくという手法です。『ユビュ王』の冒頭でもユビュおっかあとユビュ親父の対話に「運命」に関する言及がなされていると論旨を繋げていくのですね。また『ユビュ王』の作者アルフレッド・ジャリシェイクスピアやフランス古典演劇の台詞や筋を引用している「テクスト相互間作用」の作家であることもつとに指摘されていました。結論はジャリが語り手の信頼性を揺るがせることによって、メタフィクション性の発動装置としての役割を語りに与えていると語っています。なかなか刺激的な論文に会うことができた一日でした。