S君の「ポストモダンのその先から学ぶ」はなかなか面白い卒論でした。

 朝は1限からフランス語の試験が待っています。7時42分の京浜幕張行きに乗ろうと思っていたら、幸いにも一つ早い東京行きに乗ることができました。座席も確保できて太田紫織さんの『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と石榴と夏休み』(角川文庫)を再読しました。大学に着いたら独仏準備室のMさんが教育支援課まで私のして健問題を取ってきてくれました。それを受け取って715教室に移動しました。学生諸君が試験問題と取り組む鉛筆やシャープペンシルの音しか聴こえません。解答を確認して研究室に戻って採点に取り掛かりました。およそ70分ほどで採点を終え、履修者名簿に転記しました。1名だけ欠席があったのは少々残念でした。とんきん亭の箱弁当を食べてから、4年ゼミ生の諸君が残していった卒論の採点に取り掛かりました。一冊読むのにかなりの時間が掛かります。先ずは中文科のI君の「比較神話 ギリシャ神話を中心に神話の意味を問う」を読みました。なかなか良くまとめられていて、私は好感を持ちました。S君の「ポストモダンのその先から学ぶ」はなかなか面白い卒論でした。音声言語とエクリチュールフェミニズムの問題、あるいは家族の問題を次々と論じた後の結論で「常に現在が未来への手段となっている近代産業社会の中で、遊びの再評価を促すのがポストモダンである。」と結論付けていました。ポストモダンに付いても良くまとめられていて実に面白い卒論でした。次にKさんの「社会福祉制度の比較-日本とスエーデン-」は日本の現状を変えたいというKさんのモチベーションが感じられる好論文でした。最後に読んだI君の「西欧騎士における騎士道について」はさまざまな文献を読みこなしたバランスの良い論文でした。