直子が自主的に入った「阿美寮」を女性社会と位置づけているのですね。

 独仏準備室の助手のMさんが私の論文「ルイ・アラゴンの『ブランシュまたは忘却』を再読する」の初校を届けてくれました。文学部紀要を担当している図書館の職員のIさんが届けてくれたものです。昼食を食べたばかりなので少々眠たいのですが頑張って作業に取り掛かりました。午後の1時半には推敲も終わり、キャンパスを横切って大学図書館まで論文を届けに行きました。新刊書のコーナーには面白い本も見当たらず、地下の本棚に移動しました。PC教室に大勢の学生諸君が集まっているのに驚きました。恐らくはレポートを書いているのでしょう。図書館では多胡古郎著『我輩はロンドンである』(文芸春秋)、塚本利明著『漱石と英国〜留学体験と創作との間〜』(彩流社)、それから「漱石研究 特集『虞美人草』」(翰林書房)の3冊を借りておきました。いずれもT先生、N先生と私の3人で取り組んでいる共同研究の資料として使えそうな本ばかりです。
 教育推進センターの職員さんが昨年私が作成した「教育実践事例集」の修正版を持ってきてくれました。初校を確認して欲しいと言うので、一時間ほど掛けて目を通しました。大きな問題はないので、そのまま教育推進センターに原稿を届けて一件落着となりました。残り時間で3年ゼミ生の期末レポートを読みました。M君は「村上春樹ノルウェイの森』に見る女性社会」という題名のレポートを書いてきました。直子が自主的に入った「阿美寮」を女性社会と位置づけているのですね。ami(e)はフランス語で「友人」を意味します。そこでは皆が助け合う関係を築いていることが強調されていました。これもまた微笑ましいですね。