ジョルジュ・ルオーの作品が5点ほどあり大いに楽しめました。

 午前中は「ヨーロッパの文学」のレポートを採点しまて過ごしました。面白かったのは『コクトー詩集』に付いて書いてきたU君です。「耳」「黒人と美女」「黒奴美人」「少年水夫」「踊り子」などの詩を引用しながら、U君は見事な手さばきで、エロチックな場面を掬い出していきます。なかなかの手さばきでしたね。Tさんのレポートは「『恐るべき子供たち』における劇場舞台性」というもので「境界や間仕切りのない無限の空間に、線を引き、柱を立て、壁を作り囲うことで、一つの凝縮された有限の空間を作り出す」と主張しています。ドラマチックな空間がどのように形成されるのかが具体的に語られていて示唆に富んだレポートでした。
 早めにサンドイッチの昼食を済ませました。府中本町行きの武蔵野線に乗り、新秋津で下車しました。西武線の飯能行きに乗り稲荷山公園で13時20分に下車しました。しばらく歩くと狭山市博物館が見えてきます。美術館のないこの町で無料の「出張美術館in狭山」が開催されるとあって大勢の市民が詰めかけていました。1階では岡本太郎ピカソなどの作品を鑑賞しました。片岡珠子さんの富士山の絵もあります。別の部屋にはジョルジュ・ルオーの作品が5点ほどあり大いに楽しめました。この部屋には草間彌生さんの作品が4点ほどあって、これも目を楽しませてくれました。最期は藤田嗣治さんの絵画が数点あり、その中でも猫を並べたベッドに寛ぐ裸婦像が一際目立っていました。私に取って一番楽しめたのはジョルジュ・ルオーの作品でしょうか。ルオーの深い精神性や宗教性が鑑賞する我々の胸にもダイレクトに伝わってくるような気がしました。根を詰めて絵画を鑑賞したためでしょうか、お腹が空いてしまって駅のコンビニで中華饅頭を買い求めて、駅のベンチの日溜まりで食べました。寛いで食べたので、とても美味しく感じられました。何とも幸福な一日を過ごしてしまいました。