午後は夏目漱石の『明暗』をロッキングチェアに座って読みました。

 暇を見つけてマンション1階のコンビニエンスストア「ローソン」まで週刊誌を立ち読みに出掛けました。一冊目は「週刊ポスト」です。「糖質制限を巡って議論沸騰、それでもまだ「炭水化物」食べます?」という記事でこちらは「糖質制限」に肯定的な立ち場を貫いているようでした。一方「週刊現代」は「糖質制限ダイエットで「寝たきり」が続出中!」というタイトルで先述の「週刊ポスト」の記事とは真っ向から対立しています。「週刊誌の記事なんて、そんなものさ」とは言い切れない私は多少とも戸惑ってしまいました。
 昼食を済ませてから、朝方作ったB4のマインド・マップをWzエディターのアウトラインに加工しておきました。漱石作品における西欧の影響をテーマに論文を書くということで、テキストファイルの文字コードunicodeに設定しておきました。フランス語の特殊記号も付いた文字列を書き込まなければならないからです。
 午後は夏目漱石の『明暗』をロッキングチェアに座って読みました。冒頭の50ページを読むだけで、漱石の伏線の置き方の巧みさに舌を巻きます。例えばお延が雀の巣を見ている場面では由雄とお延の巣作りのメタファーとしても読み取れます。吉川夫人の許へ出掛けた津田が「まだ外にもう一人ある筈よ、きっと」と言われる場面は津田と別れて旧友の許へと嫁いで行った清子のことを仄めかしているのですね。「彼は神田にいる妹の事を一寸思い浮かべてみたが」という部分ではお秀のことが語られている訳です。こうして漱石の『明暗』を読み返してみると、その伏線の巧みさに絶句してしまいそうになります。