人形たちには原始的なマジカルパワーが感じられて楽しかったですね。

takuzemi2014-03-11

 昨日の午後は国立新美術館に移動しました。早めの昼食を済ませて新木場行きの快速に乗り池袋で下車しました。原宿から歩いてすぐに地下鉄千代田線の明治神宮前駅があります。乃木坂の6番出口で出ると目の前に巨大な美術館が聳えていました。チケットを買って「イメージの力〜国立民俗学博物館コレクションにさぐる」を観たのですが、土俗的な人形たちには原始的なマジカルパワーが感じられて楽しかったですね。「創玄展」という書道の展覧会もあり、こちらは無料ですので入ってみました。企画展よりも広々とした会場には全ては見切れないような膨大な作品が展示されていて、私ははしょって観ることにしました。中でも気の利いた短文が書き込まれた書の作品が多く、私は中原中也からの引用「ぽっかり月がでましたら/舟を浮かべて出掛けませう/波はひたひた打つでしせう/風も少しはあるでせう」という詩が気に入りました。ミュージアム・ショップで横尾忠則さんの『東京見おさめレクイエム』(光文社知恵の森文庫)を買い求めて帰路に着きました。帰路の車中でこの本を読んだのですが、様々な作家たちの小説にちなんだ東京のスポットが語られていて楽しくなりました。初回は江戸川乱歩の『青銅の魔神』の銀座と題されていて、しかも著者自身のイラストが短文に付けられているのですね。「機械仕掛けの人形のような足取りでガックリ、ガックリ歩いてくる大男がいた」というイラストの惹句に中学生の頃、初めて『青銅の魔神』を読んだ時のリアルな恐怖心を思い出して震え上がってしまったことでした。