美術館巡りは私にとって巡礼のようなものです。

 美術館巡りは私にとって巡礼のようなものです。あちらこちらの美術館を巡っているうちに、私自身の性格も少しずつ変わってきたように感じられるのですね。引っ込み思案だった私の性格がいくぶんとも積極的なものに変わってきたように思われるのです。新しい美術館を尋ねて見知らぬ土地に行くのは以前なら多少ともためらったはずなのですね。年内最後の教授会も先日終わってしまったばかりです。卒業式が終わったら、静岡市美術館で開催されている「シャガール展」を楽しみに行く予定です。新幹線の中でお弁当をいただいても良いでしょう。オペラ座の天井画やステンドグラスなど日本未公とは開の作品を含む全236点が一挙公開されるとのことです。今から胸がどきどきしてしまいますね。
 「人にやさしい街」とはどのような街なのでしょうか? 六本木や広尾を歩き回っていると私のような田舎者は疲れてしまいます。やはり井上陽水の歌にあるように「川のある町」に住みたいものですね。私の住む武蔵浦和では川は暗渠になってしまっていますが、別所沼があるので救われた気分になります。また安心して子供を育て上げることができる街というのも条件の一つでしょう。なぜなら子供たちは私たちの未来を担っている存在だからです。また体内に古(いにしえ)からの伝統を貯えている高齢者にもやさしい街が求められていると思います。彼らは日本の伝統を継承している存在だからですね。