私に取っては4月8日の明日の火曜日から授業が始まります。

 私に取っては4月8日の明日の火曜日から授業が始まります。明日の火曜日には演劇論と4年生のゼミが予定されていて、今からハンドアウトやテクストを下調べしなければなりません。水曜日には比較文化論の講義が待っています。比較文化論のハンドアウト朝日新聞社の「世界の文学」に掲載された鹿島茂先生の識字率に関するもので、Wikipediaで調べてみると意外な事実が分かって愕然とします。日本の江戸における嘉永年間(1850年頃)の就学率は70〜80パーセントとのことで、寺子屋が大きな成果を挙げていたことが良く分かります。フランスの就学率は1793年で何と1.4パーセントとのことで愕然としてしまうような低い数字に驚かされます。木曜3限の「文学」では夏目漱石の作品の初期から後期への深化に付いて語る予定です。漱石は後期作品に於いて「小説の約束事」を打ち壊した人間だったと思います。例えば『彼岸過迄』の主人公の須永市蔵が千代子が「こんなことを言ったのだ」と間接話法で語れば、少なくとも「小説の約束事」は破られなかった筈なのですね。ところが漱石は千代子の肉声を直接導入するという乱暴なやり方で事を進めてしまったのですね。明日3限の演劇論ではギリシャ悲劇の概略に付いて語る予定です。ハンドアウトも何度も読み直しているので「悲劇的あやまち(ハマルティア)」、「奇禍(アチュケマ)」そして「浄化(カタルシス)」などの重要単語を学生諸君に良く押さえさせるように心掛ければ良いでしょう。(写真は「小江戸川越」のシンボル「時の鐘」です。)