最後にDVDでブリューゲルの数々の名画を観て早めにゼミを切り上げました。

 午後1時からは725大教室で演劇論の授業となりました。今日は有名なギリシャ悲劇ソポクレスの「オイディプス王」を扱いました。最初にオイディプスが父を殺し、母と結婚したと言うことをお話しました。その上、4人もの子供たちをなしたのですから大変な運命です。為政者としては有能なオイディプスなのですが、激しやすい性格にその欠点が有ることを受講生諸君に詳しく説明しました。オイディプスの悲劇は見るべきものを見なかった目に存することをハンドアウトに従って説明しました。そして父と息子は憎み合い、父と娘は愛し合うという逆説に付いても触れておきました。残り時間は蜷川幸雄演出の『オイディプス王』の触りを観て楽しみました。DVDを観ている間に、蜷川さんの元で演劇を学んでいる平山君という学生がいたことを思い出しました。ハムレットの劇で楽器を抱えて頑張っていた姿を家人と二人で観たのも良い思い出です。4年のゼミでは『ちくま評論選』所収の斎藤環さんの「「キャラ」化する若者たち」を輪読しました。自分が他人と取り替えのきかない存在であるというのがこの一文の結論だろうと思いました。ゼミ生諸君にA4の紙に近況を書いてもらいました。最後にDVDでブリューゲルの数々の名画を観て早めにゼミを切り上げました。「ベツレヘムの嬰児殺し」、「十字架を担うキリスト」、「バベルの塔」、「反逆天使の転落」そして「イカロスの墜落」などの名画が楽しめました。最後に観た「イカロスの墜落」には「無関心」という根強い悪意が込められているように感じられました。(写真はアカメヤナギの新緑です。手前にはカラシナの菜の花が見えます。)