2限の「比較文化論」ではフランスの識字率に付いてお話ししました。

 2限の「比較文化論」ではフランスの識字率に付いてお話ししました。アンシャン・レジーム(旧体制)の社会では1.識字率の低さゆえ、書物は有産階級の贅沢品にすぎなかった。2.大衆娯楽の中心は演劇にあった。そのため、文学で金を稼ごうとすれば劇作をやるほかなかった。3.著作権や印税という概念が乏しかったため、いくらベストセラーになろうとも、著者の懐(ふところ)にはわずかな金額しか入ってこなかった。・・・ところがフランス革命後に大きな変化が訪れるのですね。1.大革命で国民皆兵となり、識字率が向上した。2.ナポレオン没落後、軍歴よりも学歴が重視される風潮が強まり、プチブル階級が書物に親しむ機会が増えた。3.都市部、とくにパリで学生数が増加し、単身者の比率が大きくなったため、孤独の時間をつぶす必要が生まれた。同時に、地方でパリにあこがれる若者の数が増大した。4.社会の安定とともに、手っとり早く出世する道が閉ざされた。5.文学のパトロンが消失し、物書きは匿名の大衆を相手にするほかなくなった。6.萌芽的ながらジャーナリズムが勃興してきた。(以上、鹿島茂先生の文章に寄る。)ハンドアウトを読了してから、オースマンとナポレオン三世のパリ改造に付いてのビデオを観ました。作家の夢枕漠さんと女優の本庄まなみさんが出演する大変に楽しいビデオです。ビデオを見終わってから出席調査票の裏にビデオを観た感想を一行だけ書き記してもらいました。改造前のパリの不潔さに驚く学生もいました。パリに行ってみたくなったという素朴な感想もありました。また、パリの歴史はもっときらびやかで華やかなものだろうとおもっていたので、事実を知って驚いたなどの感想がありました。