『人生で大切なことは雨が教えてくれた』(幻冬舎)を読み直しました。

 朝は武蔵浦和発8時26分の東京行き各停に乗りました。電車は8分ほども遅れていて、そのために車中は乗客で混み合っていて座ることもできません。傘と背負いバッグを棚に置き、久し振りにドミニック・ローホーさんの『人生で大切なことは雨が教えてくれた』(幻冬舎)を読み直しました。断念と放棄のシンボルである「雨」を解放と自立に向けて読み替えていこうという著者の強烈な意志が読み取れます。新越谷に着いてみたら3人ほどの男性が大声を張り上げて村上春樹さんの新作が発売されたところだと叫んでいます。本は『女のいない男たち』(文藝春秋)です。大学に着いて先ず一番に向かったのは総務課です。個人研究費の申請書、所属学会の報告書、研究費の受け取り口座の3点セットから成り立っています。かなり早くに大学に着いてしまったのですが、片付けなければならない数点の用件が待っています。実はうっかりして来週の演劇論と文学で講義する内容を忘れてしまったのですね。これは独仏準備室の助手のMさんにハンドアウトの原本を複写してもらって事なきを得ました。演劇論ではエウリピデスの『トロイアの女』と『メデイア』を扱う予定で、新しい市民英雄像を提示するものです。ハンドアウトの終わりの部分に「宙づりの神」というテーマが書き込んであるので、少々無理があるとは思うのですが蜷川幸雄演出の『オレステス』を観てみようとおもっている所です。今日もFさんとの「ランボー読書会」を楽しみました。先週からミシェル・ビュトールの『ランボーに付いての即興』を読んでいるのですが、息の長い文体にも多少とも慣れてきたのでしょうか。ランボーの晩年が鮮明に語られているな・・・などの感想も抱ける余裕が出てきたようです。