連休中は生涯学習センターの秋の講座の計画を練りました。

takuzemi2014-05-06

 連休中は生涯学習センターの秋の講座の計画を練りました。特異なジャンルで「サンテグジュペリの『星の王子さま』を考える」とタイトルを考えてみました。この作品は磨かれた文体とモラリストの文学の系譜に連なる味わい深い一冊です。また様々な象徴表現も散りばめられていて、読者をその解読に誘うことも一つの特徴だと言えるでしょう。
 連休中で学生諸君との付き合いが無いので、逆に私に強い印象を与えてくれたゼミ生たちのことを思い出すようです。プリンターが故障して論文が印刷できずに、私の研究室に駆け付けてきたHさんのことは忘れられません。パジャマの上にジャージを羽織って息を切らせながらやって来たのですね。内容は寺山修司の『身読丸』に付いてのもので、優れた卒論を書いて卒業して行ったものでした。
 Mさんは大変な読書家で私の研究室からハードカバーの堀田善衛の4冊本の『ゴヤ』を次々と借り出して全巻を読了したものでした。卒論は難解さで知られる塚本邦雄の短歌を扱ったもので、彼女は卒業直前に重篤な風邪を引いていたのですが、立派に良い論文を書いて卒業していきました。
 Tさんは時々卒業生との飲み会に顔を出してくれるのですが、テニスが得意で、ゼミの直前までテニスをプレイして来るのですね。汗だらけのTシャツを着たまま、お腹を拭くしぐさにどきりとさせられたこともあります。卒論は沖縄の作家・目取真俊の『魂込め(まぶいごめ)』を扱ったもので、もう二度と戦いはしたくないという反省を誘うものだったことを記憶しています。そんな学生諸君のことを思い出して幸せな気分になれたものでした。