私にも青春が有ったのだということが再確認できるような気がするのです。

takuzemi2014-05-11

 昨日は目黒区美術館で「マルク・シャガール 版画の奇跡 無限大の色彩」展を楽しんだのですが、美術館に往復する途中で権之助坂という坂を通るのですね。その坂に有った「南蛮」という屋号の飲み屋で、明治学院大学に通っていた従兄弟の憲ちゃんや同じESSに属していた医者の娘だったシガチンやシガチンに恋していたオオムラ君も良く「南蛮」に飲みに来たものでした。残念ながらシガチンとオオムラ君の恋は悲しい結末を迎えてしまったのでした。演劇にのめり込んで生活力が無かったオオムラ君に愛想を尽かして、シガチンはグリーンランドの医者の奥さんになって行ったのですね。今も良く覚えているのですが、かなり年上の女性と結婚したニシヤマ君が「南蛮」で飲み過ぎて「潮を吹いた」ことも有りました。ニシヤマ君の奥さんは当時有名だった横浜国立大学の教授でジャズ評論家としても活躍していた男性から「話し合い」で奥さんを貰い受けたのですね。明治学院大学のESSの連中が10人ほども京都の松ヶ崎の私の四畳半の下宿にやって来て、一晩安ウィスキーを飲んで夜更かしし、翌日はバスに乗って大原まで英語劇の台詞を語りながら往復したことは今でも忘れられない思い出です。仲間たちと訪れた大原の三千院寂光院を見下ろす空は記憶の中で何時でも透き通った青い色をしています。従兄弟の憲ちゃんとも今では年賀状をやり取りするだけの関係になってしまいました。グリーンランドに行ってしまったシガチンやオオムラ君ことを遠く思い出すと、私にも青春が有ったのだということが再確認できるような気がするのです。