主演の八尋役の多部未華子さんの完璧な演技に高揚感を頂いたのでしょう。

takuzemi2014-05-16

 昨日は彩の国さいたま芸術劇場カズオ・イシグロ原作の「わたしを離さないで」を観て帰ったのですが、主演の八尋役の多部未華子さんの完璧な演技に高揚感を頂いたのでしょうか、かなりハイな気分になって帰宅しました。帰宅した時点ではノルマの夏目漱石に付いての原稿は半分ほどしか書けていなかったのですが、頑張る勇気が出てきたので、再度トライしてA41ページというノルマをきっかり片付けることができました。これも多部未華子さんの演技のお蔭かなと思っているところです。
 朝の3時半に目が醒めてしまいました。個人研究費の申請書で「ルイ・アラゴンの『死刑執行』を再読する」と書いて提出したのですが、研究の方向性を定めあぐねていたのですね。ところが今朝の3時半に目が醒めたとき、あたかも天啓のように次のようなことが閃いたのです。それは『死刑執行』をスターリニズム批判の書として読み解けば論文が一本書けるのではないか?・・・と言うことです。私は文学好きではあるものの、社会システムの構造にはかなり疎い人間で、それが私の弱点になってきたような気がしています。息子がiPad 2を自室に持って行ってしまったらしく、スターリンのために強制収容所に送られ、命を絶った人が何人いたかを今知ることはできません。けれども大学図書館スターリン関係の書物を借りて調べれば新たな分野が私に取って拓けると思っています。アラゴンの『死刑執行』にはプラウダの記者だったミシェールが突然失踪をするという事件が出てくるのですが、それがアラゴンをモデルにした二重人間のアルフレッドとアントワーヌに大きな欠落感をもたらしたことは疑いありません。