眺望を妨げられるのは大変な苦痛ですね。夜空の月を見上げることもできません。

takuzemi2014-05-19

 眺望を妨げられるのは大変な苦痛ですね。私のマンションは工事が入るらしく、一週間以前から窓に薄いビニールシートが張ってあるのです。青空を見上げることもできません、夜空の月を見上げることもできません。そんな訳で家人と私の二人で欲求不満を募らせている現状なのです。早く工事が終わってくれないかと思っている私たち二人なのです。
 週末は漱石論のファイルを取り集めました。『明暗』の遊戯性に付いて、海野弘氏の言説に付いて、漱石作品のテクスト相互間作用に付いて、ハイデッガーの言う「不気味なもの」に付いて、高山宏氏の「エクフラシス」と「エヴリマン」の二語に付いて・・・などを取りまとめて「決定版・夏目漱石研究」としてWzエディターのunicodeのファイルとしてセーブしておきました。まだ全体で14ページしか有りません。今後の精進が必要ですね。
 家人がいつもの仕事に出掛けている間に「リベラルアーツの発想にたつヨーロッパの市民教育−−日本における多文化理解教育への示唆−−」という論文を読みました。一読して「自分」と「他者」との関係をいかにより良いものにするかという視点に立っていて、論文を読む私にも好感が持てました。一方、内田樹氏を援用しつつ論者は「自分自身の知的な狭さを打ち破る」と書いています。この言葉には強烈な変革への意志が感じられました。全体としては我々が共生しているという事実を教えてくれる論文であり、啓蒙的な論文だと括ることができるだろうと考えました。具体的な文教大学文学部の「多文化理解コース」への言及も有り興味深かったものです。良い読書体験を与えてくれた論文でした。