宇都宮美術館を訪問して「シャガール 語るシャガール 語られるシャガール」展を観るのです。

 土曜日の朝は9時過ぎに家を出ました。念願の宇都宮美術館を訪問して「シャガール 語るシャガール 語られるシャガール」展を観るのです。武蔵浦和の駅の窓口で宇都宮までの乗車券と宇都宮までの特急券を買って移動を開始しました。売店でウィスキーの水割りを買ってから、9時42分発「なすの255」に乗り込みました。幸い座席も確保できたので水割りを飲みながら『わたしを離さないで』を三回読み直す時間が持てそうです。30分足らずで宇都宮駅に着きました。宇都宮美術館行きのバスの待ち時間が30分ほど有るので早めの腹拵えを済ませることにしました。駅構内の蕎麦屋で鴨蕎麦を食べたのですが、鴨が5切れも乗っていて美味しかったですね。11時15分きっかりに美術館行きのバスが来ました。バスに乗り込んで背もたれに寄り掛かるとちょっとした旅人気分が味わわれました。
 宇都宮美術館に着いて「シャガール 語るシャガール 語られるシャガール」展を見学しました。先ずは版画集「わが生涯」の連作を楽しみました。「父」「母と子」「祖父たち」「祖母」と続いていて一族の歴史を語るもので、シャガール自身の自分のルーツを探すものとも言えるでしょう。シャガールユダヤ人だという理由で差別されていたと言うことです。私は初めて知ったことで驚きました。シャガールはテクストと絵画を組み合わせて絶妙の効果を挙げていることに今日初めて気が付きました。「天地創造」の連作はシャガールが或るビジョンを持った画家だったことを良く示していると思います。そのビジョンとは天上界に突き抜けるものだったのでしょう。「青い恋人たち」は夜を思わせる暗い青を基調とした画面。その中で男性が女性の髪に接吻している、神秘的なタッチの絵でした。1976年にルイ・アラゴンとマルク・シャガールが協力のもと「もの言わず語る人」が制作されたとのこと。こんな場所で私のアラゴンと出会えたことに嬉しくなったことでした。