大好きだった「結婚」や「ダフニスとクロエ」の連作を楽しんだものでした。

 大好きな絵画が観られなくなってしまうと深い喪失感に襲われます。国立西洋美術館で開催されていたギュスターヴ・ムンクの版画展も終わってしまいました。「マドンナ」や「ヴァンパイア」などの版画を楽しんだものでした。そして「アルファとオメガ」の夫婦の連作も何度も楽しんだものでした。「アルファが怒ってオメガを殴ったのでオメガは死んだ。」と版画には淡々と書いてあるのですが、私はそこにムンクの深い企みを感じるのですね。その後にこんな記述が有るのです。「その時にアルファが見たオメガの顔は、アルファがオメガをもっとも愛していた森の中の表情と同じだったので、アルファは身震いしてしまった。」とあります。ここには版画という一種の虚構の中でアルファに深い喪失感を味あわせてやろうというムンクの深い企みが読み取れると思うのです。
 目黒区美術館で開催されていた「マルク・シャガール 版画の奇跡・無限大の色彩」展も惜しくも6月8日で終わってしまいました。大好きだった「結婚」や「ダフニスとクロエ」の連作を楽しんだものでした。残念ながら6月8日を持って「シャガール」展は終わってしまいました。家人と二人で箱根に一泊旅行を試みたり、「シャガール」展の最終日には「父母教の一日大学」が有って私もこの行事に参加していたので何とも動きが取れませんでした。今日は文学部の運営協議会が14時40分から開催される予定です。その終了後に将来構想委員会が開催される予定です。前回の会議は3時間20分ほども続いたので今から戦々恐々としているところです。しばらくは自宅から持ってきた4冊の「漱石研究」を読んで時間を潰すつもりです。何か良いアイデアが浮かんでくるかも知れません。