『『星の王子さまを学ぶ人のために』(世界思想社)をとうとう読了してしまいました。

takuzemi2014-07-12

 昨日の3年生のゼミではマリーズ・ブリュモン著・三野博司訳『『星の王子さまを学ぶ人のために』(世界思想社)をとうとう読了してしまいました。私に取っては最終章の「シンボルの読解に向けて」の章が面白かったですね。このテクストを深く読み解いて、Sさんと言う女子学生の方が井戸の象徴表現を詳細に分析して、良い卒業論文にまとめてくれたのを良く覚えています。歴代の卒業論文の中でも抜群の仕上がりだったことが今でも記憶に残っています。秋学期に開催される生涯学習センターの「サンテグジュペリの『星の王子さま』を考える」でもマリーズ・ブリュモンのテクストを再読して、ヒントに利用しようと思っているところです。
 次回の3年生のゼミでは外山滋比古さんの『思考の整理術』(ちくま文庫)を利用するつもりです。他人に頼ったままの知的生産をグライダーに例えるなど比喩表現も巧みに凝らしたものが多く、学生諸君も充分に満足して取り組んでもらえるものと思っています。また求めずして思わぬ発見をする能力を意味するセレンディピディーなどのネオロジズムを駆使してものの考え方をいかにするかと言うテーマを突き詰めています。宮台真治さんのカバーに書いてあるように「<依存>のための知識より、<自立>のための知識を求めよ! その言葉は、従来の枠組みに留まるか否かを迷う今の我々にこそ響く。」と有ります。もちろん読者は知の<自立>を求めている筈ですから、読者は「思考の整理術」の再読・三読に向かうしかないと言えるでしょう。文体も平明で分かりやすいこの本をゼミ生の諸君だけでなく、文教大学の学生諸君全体に勧めたいものだと思っているところです。