国立西洋美術館に着くと「橋本コレクション 指輪」展を開催しています。

 12時29分の各駅停車新宿行きに乗って移動を開始しました。車中では座席を確保できたので太田紫織さんの『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘』(角川文庫)を読みました。赤羽で乗り換えて12時48分の快速大船行きに乗りました。上野駅に着いて公園口改札を抜けました。国立西洋美術館に着くと「橋本コレクション 指輪」展を開催しています。早速、1400円のチケットを買って館内に入りました。美と価値を備えた指輪をはめてみたいという願望は紀元前三千年のシュメール文明まで遡ると聞いて遠い流れに思いを馳せたものでした。スカラベは薄紫色のアメジストで高貴な感じがしました。バッタを模したロゼットが有り、紋は古代人のお気に入りのモチーフだったとのこと。勝利の女神ニケが青いガラスの上に金箔で表されている。飛翔するニケを取り囲んでいるのは、小さなロゼット紋である。照明も工夫を凝らしてあり、指輪が美しさを発揮するように工夫されていた。指輪は魔除けのお守りとしても利用されていたと言う。スカラベの印章としても用いられていた。このスカラベの腹には、太陽神「アメン・ラー」を意味するヒエログラフが刻まれている。要するにスカラベは聖なる存在だったのだ。サルバドール・ダリリトグラフレダ」が有り、白鳥に化けたゼウスの長い首に抱擁している。レダ股間にはどす黒い血のようなものが迸っている。レダが恍惚の表情を浮かべているのが印象的だった。常設展で何度も観た「悲しみの聖母と荊冠のキリスト」やエル・グレコの「十字架のキリスト」、ダンテ・ガブリエル・ロセッティの「愛の杯」、ルノワールの「アルジェリア風のパリの女たち」が有り橋本コレクションに常設展の作品群が力を貸しているのが見て取れたものだった。