午後は上野の東京国立博物館の東洋館を訪問しました。

 鐸木能光さんの件でも触れたのですが、テキスト・ファイルにしておくと何かと便利です。共同研究の論文を夏目漱石をテーマとして書くことを決めています。主要な作品を私の親指シフトのノートパソコンのデスクトップに「夏目漱石作品集」と題して、少しずつ青空文庫からダウンロードして保存しています。ランダムですが『こころ』『それから』『虞美人草』『吾輩は猫である』『坑夫』『行人』『三四郎』『硝子戸の中』『草枕』『彼岸過迄』などを保存したところです。
 午後は上野の東京国立博物館の東洋館を訪問しました。最初の部屋には中国の仏像が展示されてありました。観音菩薩立像や如来立像が有り、神秘的な微笑を湛えていました。首の無い如来椅像が有りました。首の無いお顔を想像して楽しんだものでした。二階に上がるとインド、ガンダーラ、西域、エジプト、西アジアの仏像が展示してありました。釈迦座像は若い男が手を組んで、結跏趺坐に足を組んでいる像で深い宗教的な在り方を感じたものでした。ガンダーラでは、ギリシャローマ神話を題材とした数多く造形化されたとのことです。広範な文化の広がりに思いを馳せたものでした。三階に上がると「中国文明のはじまり」と題された展示が有りました。壺や玉器などの展示が有りました。五回に上がってみると朝鮮半島の壺や玉器の展示が有りました。白磁器が中心ですが、その洗練された美しさに溜め息が出てしまいました。往復の車中では怪人二重面相のシリーズの第十六話『魔人ゴング』(ポプラ社)を明智小五郎探偵の助手の小林少年がトランクに詰められて海に沈められるという絶体絶命の危機を迎えるというところで、武蔵浦和に着いてしまいました。明日は『魔人ゴング』を続きから読もうと思っています。(写真はウィリアム・アドルフ・ブーグローの「少女」です。可憐な愛らしさが引き立っています。)