今日の目玉はベアトリス・アッピアの「水のしずく」連作です。

 家人に手伝ってもらって、マルク・シャガールの「婚約者」を書斎の壁に貼りました。それからギュスターヴ・モローの「化粧」も貼りました。書斎が華やかになったので満足して、『星の王子さま』や加藤和彦の『パパ・ヘミングウェイ』、『ベル・エキセントリック』、『バー・アメリカン』などを次々と聴いてみました。『パパ・ヘミングウェイ』の中の一曲「スモール・カフェ」は「パリの街は見知らぬ物語を、つみ重ねて美しさを増す」と言うルフランが私の頭にこびりついています。ジャケットの裏には加藤和彦らしき男性が渚で倒れている写真が有り何か不吉なものを感じさせます。軽井沢のホテルで自死した加藤の結末を思わせます。「ディアギレフの見えない手」には「人生の舞台裏で糸を引くのは見えない手」という言葉が有り、何が起こっても不思議ではない人生の本質を思わせます。
 午後はうらわ美術館を訪問して「ボンジュール!フランスの絵本たち」と埼玉県立近代美術館の常設展を巡って歩きました。今日の目玉はベアトリス・アッピアの「水のしずく」連作です。何度観ても可愛らしい水のしずくはまん丸な顔をして微笑んでいます。埼玉県立近代美術館の常設展では白髪のキュレーターの方の説明が有り、苦手だった荒川修作小村雪岱の分かりやすい説明が有りました。荒川修作は実験と構想の連結を目指したものだと説明してくれました。川越出身の小村雪岱は「見立寒山拾得」を描いています。これも白髪のキュレーターの方に寄ると見立て絵で一種のパロディーのようなものだとのことでした。雪岱は遊びの境地に過ごしていたらしいのです。雪岱の「兎」は泉鏡花の挿絵としても用いられたそうです。雪岱と泉鏡花の間には親交が有ったそうで当たり前のことかも知れません。(写真はベアトリス・アッピアの「水のしずく」です。)