マルク・シャガールの「婚約者」を実物で観るのが今回の目的でした。

 午後は白金台の松岡美術館を訪問しました。展示室1に入ると古代オリエントの文物が有り、器や工芸品などが展示されています。「馬頭部」は大きな目を見開いた馬で鼻の穴も大きいのです。ユーモラスな表情で笑わせてくれたものでした。ライオンの頭をしたセクメト女神は創造主プタハ妻で王の守護神で戦いの神でもあるそうです。エミリオ・グレコの作品「水浴の女」、「アンナ・テイト」、「パトリシア・パターソン」、「腰かける女、肘」などは具体的な表現で分かりやすいのですが、ヘンリー・ムアの「馬」「壁を背にした三つのモチーフ」、「台に坐る母と子」、「横たわる女、肘」の4作品はどれもデフォルメされていて、不思議な形をしています。展示室3では中国仏教彫刻が展示されています。数多くの仏像が並んでいます。「踊る少年クリシュナ」は右手をこちらに向けて、左腕は長く伸ばして左手は下に向けています。「如来頭部」は首だけの仏像で上品な笑顔を湛えていました。二階に上がり展示室4に入ると壺や犬、馬、牛などの磁器が有り大いに楽しめました。駱駝の展示が多いのはシルクロードを旅する人の必携のアイテムだったからでしょう。展示室5の前のパネルには「パリ! 私にとってそれ以上に麗しい言葉はなかった。」(シャガール わが回想」よりの言葉が記されていて十数年前パリを旅した高揚感が甦りました。マルク・シャガールの「婚約者」を実物で観るのが今回の目的でした。「果樹園」や「ヒィレタスの教え」なども有り楽しめました。往復の車中では宮部みゆきさんの『荒神』(朝日新聞出版)を読んで楽しみました。朝日新聞に連載されていた時も毎日読んで楽しんでいた作品です。