上映しているのは「スタンド・バイ・ミー ドラえもん」でした。

 家人が御徒町まで水着を買いに行ってしまったので手持ち無沙汰です。仕方が無いのでテレビを漫然と眺めて過ごしました。これでは生産的でないのでテレビを切って、読みさしの高階秀爾著『誰も知らない「名画の見方」』(小学館101ビジュアル新書)を読みました。昼食を済ませて浦和のパルコに移動しました。ディズニー映画の「マレフィセント」を観る予定だったのですが、上映しているのは「スタンド・バイ・ミー ドラえもん」でした。多分入るべきホールを間違えたのでしょう。私に取っては良くあることなので「ドラえもん」で満足したことでした。大人になったのび太君が雪山で遭難したしずかちゃんをドラえもんの助けを借りずに自力で救うシーンには感動したものでした。それを切っ掛けにのび太君のプロポーズをしずかちゃんが承諾してくれる運びとなるのですね。未来に帰る予定だったドラえもんも帰らなくて良いことになり目出たし目出たしの結末でした。映画館を出てパルコ5階の紀伊国屋に寄りました。今朝の朝日新聞の朝刊で取り上げられていた漫画です。都留泰作の『ムシュヌン』(小学館)は奇妙な作品でした。主人公の男は上原秋人でコミュニケーション能力がゼロで、バイト経験もなく、生活能力も欠けている存在なのです。昆虫に関してだけは「リュウキュウ・コメノ・ムカシ・ヒアリ」をラテン語の学名「レプタニア・マグヌス・エニグヌス」と暗唱しているぐらいの能力が有るのです。作者は文化人類学者でもあるそうで、木目細かな細部の描写が印象に残りました。水着姿の女性とカマキリが左右に配置された表紙の絵柄も素晴らしい。蝉の脱け殻や男物のパンツが描かれているのは残念ながら理由が分かりませんでした。