午後は三井記念美術館を訪問して「能面と能装束」を観賞しました。

 8時20分に家を出て別所沼まで散歩に出掛けました。この時間になると通勤客も途絶えて「花と緑の散歩道」は閑散としています。別所沼では同じマンションに住む「ノッポさん」にお会いして挨拶を交わしました。埼玉県原爆死没者慰霊の碑に合掌しまし、別所沼弁財天に着いたら私の前に二歳ぐらいの小さなお子さんを連れたご夫婦が居ました。お子さんを抱き上げて詣でさせているのです。立派な情操教育だと感心しました。それから私も弁財天に賽銭を入れて柏手を打っておきました。うなぎと川魚の別所は殆ど解体が済んだ様子でコンクリートと鉄材の山と化していました。
 午後は三井記念美術館を訪問して「能面と能装束」を観賞しました。一つの絵が展示されていて、能面を着けた女性が色取り取りの和服を身に着けています。重要文化財の「翁(白色尉)」は平和と豊作の祈りを捧げるものだと言われています。能面は大きく別けると翁、尉、鬼神、男、女に別れると言います。孫次郎の「オモカゲ」は若い女性の女面で、孫次郎が若くして亡くなった妻の面影を写したところから「オモカゲ」と呼ばれていると言います。この「オモカゲ」に人の世の儚さを感じたものでした。展示室7は市川団十郎中村歌右衛門が実際に着ていた能装束が展示されていて、大変に興味深かったです。実際に名優が能を演じている写真も有り、リアルな感じが感じられました。角が生えた蛇と般若が並べて展示されてありました。般若と蛇はいずれも女面だと知って驚いたものでした。女の恨みが積もり積もって蛇や般若になったのだと言われています。般若の眉をひそめた表情からは、悲しみさえも感じられました。般若になっても女は女なのだと感じたものでした。