午後は乃木坂の新国立美術館を訪問して「オルセー美術館展」を観賞しました。

 午後は乃木坂の新国立美術館を訪問して「オルセー美術館展」印象派の誕生−描くことの自由−を観賞しました。第1室に入るとマネの絵画の展示が有り、一際目を引くのが「笛を吹く少年」でした。黒いシャツと赤いズボンのコントラストが強烈な印象を投げ掛けます。第2室はレアリスムの諸相と題されていて、二月革命後に社会の現実を直視するレアリスムが生まれたそうです。その中の一枚にジャン=フランソワ・ミレーの「晩鐘」が有ります。夕暮れの中で男女の農夫が祈りを捧げています。第3室のタイトルは歴史画でした。アンリ・ポール・モットの「ベリュスの婚約者」は一目見て奇妙な違和感を感じました。巨大なベリュス神の膝の上に金色の座布団を敷いた全裸の女性が座っているのです。彼女はベリュス神への捧げ物なのでしょう。不安から大きく目を見開いた姿が痛々しかったですね。第4室は裸体と題されていました。セザンヌの「牧歌」やギュスターヴ・モローの「イアソン」などが楽しめました。ジュール・ルフェーブルの「真理」は長い髪をした全裸の女性像で右手を高々と挙げて何か光るものを持っています。アレクサンドル・カバネルの「ヴィーナスの誕生」は複製で何度もお目に掛かったことのある有名な作品で私の頭の中にも残像が焼きついています。ギュスターヴ・クールベの「裸婦と犬」は裸の女が犬に顔を寄せています。接吻しようとしているのでしょうか。ギュスターヴ・カイユボットの「床に鉋をかける人々」は上からの視点で働く三人の労働者を暖かく見守っています。過酷な労働が想像されました。アンリ・ファンタン=ラトゥールの「テーブルの片隅」が有り、以前ルーヴルで見たことのあるヴェルレーヌランボーに再びお目に掛かれたものでした。帰路には武蔵浦和駅の改札で学長の野島先生と出食わして驚きました。県庁に用事が有って、武蔵浦和まで歩いて帰ったとのことでした。