Bunkamuraザ・ミュージアムを訪問して「だまし絵? 進化するだまし絵」を観賞しました。

 8時過ぎには別所沼まで散歩に出掛けました。風が涼しいですね。いつものフルコースを歩いて、別所沼を一周しました。特記事項と言えば川魚とうなぎの「別所」が取り壊されて平地になっていたことです。はかないものだと思いました。もう一つは同じマンションの19階で整体師をやっているMさんにお会いしたことです。Mさんは「人間は走るべきでない。走るのはお猿さんだけだ。」と言う持論を持っていて、私も何度も聞かされたことが有るのです。何だか納得が行かないような気持ちがどうしても有りますね。
 午後はBunkamuraザ・ミュージアムを訪問して「だまし絵? 進化するだまし絵」を観賞しました。館内に入るとトロンプルイユ、ダブル・イメージ、アナモルフォーズ(歪曲像)などの手法を用いて目の錯覚をもたらす絵画が作られると説明されています。ゲオルク・フレーゲルの「果物と花のある棚」はリンゴ、ブドウ、サクランボなどが下段に有り、上段には金属の花をいけた金属の壺が飾ってあります。リアルな描写に打たれました。アルベルヒト・デューラーの「アイリスの聖母」は聖母マリアが幼子イエスを抱き抱えて授乳しています。白い布の上に一匹の虫がいるのは現実世界からの不意の来訪者として夢見心地の母子を不意打ちにするものなのでしょう。ジョゼッペ・アルチンボルドの「司書」は体と頭は本、目は鍵の束、髭はハタキの房が付いた棒の先、指は栞で、まさにこの司書が本の虫であることを皮肉っているのでしょう。ここには強烈な批判精神が感じられました。「だまし絵」を観賞することで「絵画」とは何か?と言う根本的な問い掛けを考えさせられた美術展でした。ミュージアム・ショップには大学時代からの友人・岩佐倫太郎君の『印象派琳派がわかれば絵画が分かる』(舵社)も置いてあって満足して帰路に着いたことでした。