板橋区立美術館を訪問して「種村季弘の眼・迷宮の美術たち」を観賞して来ました。

 週末には父母教の長野支部支部会合に出掛けねばなりません。髪が伸びてしまったので南浦和のQB−HOUSEで散髪を済ませました。スタッフの名前は大熊さんと言うのですが、名前に似合わないイケメンで散髪の腕も良かったので眠くなって困ったことでした。地元のQB−HOUSEは耐震工事のために冬までお休みです。焼鳥屋やDVDレンタルのお店がお休みで不便で困っているところです。
 板橋区立美術館を訪問して「種村季弘の眼・迷宮の美術たち」を観賞して来ました。横尾龍彦の「黒い王座」は背中向けの裸女が二人石の上下にいる絵で、左半分には馬が二頭いて、怒りの表情を浮かべています。横尾龍彦の「秘儀」は裸の女が左端にいて、中央には大きな球体を抱えた人間と牛がいます。神秘的な画面に驚かされたものでした。オットー・デックスの「仔牛の頭部のある静物」は切り取られた牛の頭部が安っぽい広告紙の上に置かれています。傍らにある百合の花々が違和感を醸していました。桑原弘明のScope「遠い星」は除きからくりで、ボタンを押してみると、ブロンズの像が見えます。遠くの壁には木星らしき図像が霞んでいます。マックス・エルンストの「ニンフ・エコー」は巨大な爬虫類を取り囲んで植物が繁茂しています。美濃瓢吾の「猫叉」「ひょうすべ」「豆腐小僧」「琴古主、三味長老」はいずれも化物のオンパレードで、それぞれがユーモラスな顔立ちをしているので、関節を外された気分になったものでした。逆説的にではありますが、この展覧会を通じて「絵画とは何か」を考え直すことが出来たのが美術館訪問の成果だと言えそうです。屋上屋を架すようですが、車中では種村季弘さんの『徘徊老人の夏』(ちくま文庫)を読みました。腰巻きにある「行ったっきり、も悪くない」の文句が大好きなのです。