午後は山種美術館を訪問して「輝ける金と銀 琳派から加山又造まで」を観賞しました。

 午後は山種美術館を訪問して「輝ける金と銀 琳派から加山又造まで」を観賞しました。館内に入ると松岡映丘の「春光春衣」が目に飛び込んできます。藤原時代の貴族の女が和服を着ているのです。恍惚とした表情に彼女の満足が感じられました。西村語雲の「松鶴」は雄の鶴が嘴を開いて左を向いていて、雌の鶴は雄に寄り添うように黄色の羽をしています。山口蓬春の「新宮殿杉戸楓習作」は大きな楓の葉を描いたもので、モダニズム風の味付けがされてあり、大胆なカットに驚かされたものでした。絵画を作るための素材となる金箔、銀箔、金泥、銀泥や筆などが展示されていて興味深かったですね。横山大観の「寿」はデフォルメされた抽象的な文様で私の理解を超えていました。速水御舟の「名樹散椿」はその名の通り椿の木が樹が一本有り、赤白桃の花を咲かせています。高山辰雄の「中秋」は霧が掛かった空に明月が浮かんでいる。森から一本の川が流れ、川の傍らに一軒の家が有ります。一種の理想郷(アルカディア)を描いたものだろうと思いました。奥村土牛の「鵜」は三羽の鵜が描かれていて三羽とも翼を連ねていて立派な画面でした。小山硬の「天草(洗礼)」は中央の神父が生後数カ月の赤子を洗礼盤の水に入れて洗っています。九人程のひとびとが回りを取り囲んでいる。母らしい人が床に平伏しています。感動の余り平伏したのでしょう。傍らに百合の花が一本有りました。幼子の無垢であることを象徴するものだろうと思ったことでした。牧進の作品は白い芙蓉の花が咲き乱れています。左端に黒い蝶が二匹いて、そのコントラストが際立っていることに驚かされました。山種美術館を訪問した時に二匹の紋黄蝶が迎えてくれました。幸先の良いことだと思ったことでした。