「ヨーロッパの文学」ではラブレーの『ガルガンチュアとパンタグリュエル物語』に付いて語りました。

 午後の「ヨーロッパの文学」ではラブレーの『ガルガンチュアとパンタグリュエル物語』に付いて語りました。宮下志朗氏のテクストに寄るとスカトロジー、大食らい、言葉物語遊び・・・超現実的な物語空間の中で、巨人王とその息子の荒唐無稽な旅が展開される。世の中の多様性と曖昧性を照らしだす根源的笑いの文学。と有ります。言葉遊びの「長ふんどし語」では例えば「ぽかぽかどかどかぴちゃぴちゃめりめりごりごりごつごつ殴ってもまだ足りない」と言う箇所が有り笑いを誘われました。作品の終わりはオープンエンディングになっています。『パンタグリュエル物語』では秋の新酒を飲みすぎて、頭がずきずきするもんで、ここらでやめさせてもらいます。続きはフランクフルトの書籍市で買ってください、と言った具合に読者を突き放してしまうのです。残りの30分はエリック・ロメールの「パリのランデヴー」の大二話「パリのベンチ」を観て楽しみました。
 4限のフランス語6では交換留学生のブラッドリー・ジョン君とカロリーネさんと加藤先生の『自分で訳す星の王子さま』を読みました。お二人とも日本語も上手で難なくテクストを日本語に訳してくれます。星の王子さまパイロットに羊の絵を描いてとねだる場面なのですが、最終的にはパイロットが羊の入っている箱を描くことで救われてしまいます。王子さまは中に入っている羊が目に見えるのです。30分ほどルノワールの絵画を紹介するDVDを観ました。ルノワールは「私の絵筆は愛を語る」と日頃から言っていたそうで、美しい女性たちを好んで描いたルノワールにさも有りなんと思いました。過去の時代を思い返して「あの頃、人々は笑うすべを知っていた」の言葉に深い共感の念を感じたものでした。