上野に着いて東京都美術館を訪問しました。「ウフィツィ美術館展」が開催されています。

 12時1分の新木場行きで移動を開始しました。車中では上橋菜穂子さんの『精霊の守り人』(新潮文庫)を読みました。文化人類学の知識に基づいた確実な記述が好感が持てました。上野に着いて東京都美術館を訪問しました。「ウフィツィ美術館展」が開催されています。イタリア・ルネッサンスの中心都市フィレンツェでは15世紀以降、工房に寄る組織的な運営が盛んになり多くの優れた芸術家が生まれたと言われています。サン・ミニアートの画家に寄る「聖母の幼児キリスト礼拝、磔刑と聖フランチェスコと聖ヒエロニスム」は中央に聖母と幼児キリストが居るのですが聖フランチェスコと聖ヒエロニスムは気付き難かったです。ドメニコ・ギルランダイオの「聖ヤコブス、聖ステファヌス、聖ペテロ」は髭面の聖ヤコブスが赤い布を巻き右端の聖ペテロは黄色い前掛けを着けていて色彩のコントラストが見事でした。ヤコボ・デル・セライオの「十字架から降ろされた墓の前のキリスト」は何とも痛ましい絵でした。キリストは従者に抱き抱えられて辛うじて立っています。他の人々も嘆き悲しんでいるのが良く分かりました。ピアージョ・ダントニオ・トゥッチの「正義の寓意」は左手に天秤を持ち右手には剣を持っている赤い膝掛けをした女性像で天秤は正義の重さを計る道具、剣は正しさ、右足で踏みつけている丸い玉は正義の象徴だと捉えることができそうだと思ったことでした。サンドロ・ボッティチェリの「聖母子と洗礼者ヨハネ」「東方三博士の礼拝」「十字架の道行き」「鞭打ち」の四点を観賞しました。「鞭打ち」はキリストが磔刑から引かれていく直前に鞭で打たれた画面だそうです。中央のキリストが鞭打ちにも無関心で平然としているのが気に掛かったものでした。