Bunkamuraザ・ミュージアムで「夢見るフランス絵画」を観賞して来ました。

 Bunkamuraザ・ミュージアムで「夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ」を観賞して来ました。これで二度目になるのですが強烈な印象は薄れることが有りません。最初に第1章の印象派とその周辺の画家たちを観賞するとポール・セザンヌの「大きな松と赤い大地」が眼に飛び込んできます。ゆったりとした絵画で中心には大きな赤い松が有り、遠景には赤い大地が描かれています。一息付ける感じがしたものでした。クロード・モネの「レ・ムレット(小さな詰藁)」は積藁好きのモネの十八番で温かな光を浴びた積藁が輝いています。穏やかな寛ぎを感じさせてくれる一枚でした。クロード・モネの「エトルタ、夕日のアヴァル断崖」は奇岩の多いことで知られるエトルタの夕日を背景に描いて奇岩を黒いシルエットに見せて引き立てているのでした。ピエール・オーギュスト・ルノワールの「宝石をつけたガブリエル」は薄絹の服を身に着け乳房もあらわにして首飾りを着け左手には薔薇の花を持っている。健康そうな女盛りの姿でした。モーリス・ド・ブラマンクの「森の妖精」はフシギな絵でした。森に突如、踊りながら現れる妖精たちがいて神話的な雰囲気を醸し出しています。キスリングの「若い女性」はアーモンド型の眼、遠くを見つめるような視線など独自の様式化が見られて頭部と身体の中心線をあえてずらした構図には不安定感が生じ不安や悲哀を髣髴させられました。私の好きなジョルジュ・ルオーの「聖書風景、夕」「ニコデモ」「ピエロ」「道化」「農婦」などを楽しんで帰路に着きました。往復の車中では石原千秋・監修『教科書で出会った名詞100』(新潮文庫)を読みました。三好達治の「太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。」などの名詞を楽しみました。