2限の情報処理と言語文化では「ロブ=グリエ文学講義巡って」と題してお話ししました。

 2限の情報処理と言語文化では「ロブ=グリエ文学講義巡って」と題してお話ししました。数年前の夏に「フランス文化」で放送されていた「作家生活への序文」です。ロブ=グリエは理論に関心を持つ性格で、植物学を専攻していました。文学史への関心も併せ持っていていたらしいのですね。作家はみな、誰かが書いたように書いているが、私はバルザックのようには書かないことを方針とすると述べています。「深夜叢書」での下読みの時代が長かったから、他の作家たちの方法への意識も高まったのでしょう。ロブ=グリエの言葉は続きます。「私の前の完璧なものを拒否すること、現実世界と平行した、私の理論的な世界を構築することが必要だとも言っています。第二次大戦でヨーロッパを大きな打撃を受けて思想も崩壊しました。そこから世界は再び創られなければならないと言う発想が浮かんだのです。ロブ=グリエは「ぼくはベルリンの廃墟から出発して、世界を再構成しはじめたのだ。」と言っています。「なぜ、人は書きはじめるのか?」と言う問い掛けにロブ=グリエは世界の理解しがたさ、世界の不確定性が有るからそれが書くことへの誘いだと言っています。ロブ=グリエカフカ、フォークナー、フローベールなどの読書好きな作家たちが好きだと断言しています。ニューヨーク大学で教えた体験がロブ=グリエの転機になったのでしょう。そこから「読み」は多様なものだ、我々は「大文字の真実」とは付き合わないという姿勢が生まれてきたのでしょう。情報処理と言語文化では「ネットで語学」、「ATENAの語学」、「BBCVOA」、「はてなのブログを論文執筆に」、「フランス語の練習をWebで」、「ブログから日記へ」、「EvrenoteとDropbox」などのファイルを開いて講義を終えました。課題を一つだけ出しておきました。「シュールレアリズム(超現実主義)」にA4の紙に2〜3枚に纏めろと言う課題を出したのですが、Webを利用して学生諸君は上手に纏めてくれました。満足の行く結果でした。