午後は国立西洋美術館で「フェルディナント・ホドラー展」を観賞して来ました。

 午後は国立西洋美術館で「フェルディナント・ホドラー展」を観賞して来ました。最初に有るのは「自画像」でまだ若い自画像で生き生きとした表情が印象に残ります。「シャダウ城とシェルツリンゲン教会、プリュームリス山」や「山小屋とアイガー山、メンヒ山、ユングフラウ山」ではスイスの美しい風景が続きます。人心地が付いたような気分になれました。ホドラー自身の言葉に「われわれが自然から受ける印象は、変化する深さと持続の痕跡を残す、その選択が、作品のあらゆる性格を決めてしまう。つまり、画家の本性と性格を。」と有りなかなか理性が勝った性格だと思ったものでした。…これら色彩の豊穣さのすべて、こられ明暗の染み、コントラストや震える色調の変移する調和は光の賜物である。」と有り光を求めたホドラーに相応しい言葉だと思いました。「ルイーズ=デルフィーヌ・デュショーサルの肖像」が有りまだ若い13歳の肖像画で若々しい姿が映し出されていました。「オイリュトミー」とは「よきリズム」「調和有るリズム」の意味する言葉らしく確かにホドラーの絵画にはリズムが感じられます。「わたしが人間の身体を描くのは、それが自身の情動によって動かされるときである。(…)どんな感情も身振りをもつ。」と書かれていてリズムを持った作家の言葉に相応しいと思いました。地下の展示室に降りると変幻するアルプス連作画眼に止まります。美しいアルプスの風景が「トゥーン湖とシュトックホルン山脈」や「夕暮れのトゥーン湖とシュトックホルン山脈」なども美しく纏まっていました。ホドラー展のチケットで常設展も観られるので常設展も訪れていました。ウィリアム・アドルフ・ブーグローの「少女」やピエール・オーギュスト・ルノワールの「アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)」は私に取って憧れの女たちです。カミーユピサロの「立ち話」は小品ながら二人の女が立ち話をしている平凡な風景を描いたもので日常の風景を良く切り取って定着しています。その腕前に驚いたものでした。カミーユピサロはその温厚な性格で友人たちからも慕われていて印象派の絵画展で毎回入選したそうです。